親孝行、プライスレス0円

“実家の老いた母から連絡があった。近所のプロパンガスの取り扱い店が店主高齢につき閉店するという。ついてはガスの供給がどうなるかわからないので相談にのってほしいというものであった。
ガスという言葉からとっさに連想したのは、実家のガス給湯システムの老朽化と、母が火の消し忘れ等、取扱いミスが頻発しているということだった。
この際だから親孝行も兼ねて一肌脱ごうということでネット検索。実家近くのAガス器具販売店に電話。給湯器を取り換えた上でガスの供給もお願いできないかということを伝えた。
即座にAの担当者が我が家にやってきた。すでに実家の古い給湯システムも屋外から確認してきていた。「消し忘れ防止、風呂の自動給湯、自動温度調節、ガス漏れ検知」など気になっていた点をあげると待ってましたとばかりに最新式のシステムをご提案いただいた。必要はないとは思ったが風呂もバブルジェット式の最新機種を10万円引きということ。また、24時間ネットでガス漏れ等の異常を検知する見張りつきだという。とても今までの個人の燃料店ではできないサービスに感嘆。台所、風呂の給湯設備一新で総額27万円の工事。納得価格だったが、一応母の了解もとらないといけないということで担当者さんにはお帰りいただいた。
翌日、母に連絡をとったところ、閉店した個人燃料店店主と引継ぎを任されたという大手B燃料メーカーの担当者が挨拶に来たという。母は長年の付き合いがあった店主さんの顔を立てたいという。
あわてて、Bメーカーさんに連絡。機器を取り換えた上で、燃料供給もA器具店さんにお願いしたいという話が進んでいることを伝えたところ、即座にBの担当者さんがやってこられた。
Bさんは、A社さんがガス供給をし器具設置をすることに異議を唱えるものではないと前置きしたうえで、機器の取り換え工事、その後のガス供給に弊社も見積もり提案をさせてほしいと言ってきた。A社同等の安全機能、給湯機能で検討させていただきますと。
翌日、Bさんから提出された見積もり書の金額はなんと0円。「どうして0円なんですか」と尋ねたところ、「閉店する燃料店さんからよろしくと頼まれた」とのこと。
A社さんにも連絡したところ「そのエリア、うちが食い込むことをなんとしても避けたかったんでしょうね。うちも、0円で再提案できますよ」
0円同士では比較検討も出来ず、母はA社さんがいいというので、A社さんに決定。工事もあっという間に完了。
ボタン一つでお湯が沸く、定量を風呂に自動でお湯はりなどの仕組みに母は涙して喜んだ。
「工事費はすべて息子さんが払ってくれたと業者さんがいってたよ。ありがとうね」
詳しくはわからないが、もしかしたら給湯器がリース扱いになっている可能性と、工事費機器の値段がガス代に上乗せされている可能性があるのだが、ガス代も以前と変わらず、月6000円平均である。これが高いか安いかは地域差もあるのでわからない。
とにかく0円での親孝行。
後日、工事費として20万を送金するといってきた母には真実を伝えました。”
テックアカデミー 副業

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