海外に5年以上居住した場合、海外資産は日本の相続税の対象外となる
もし被相続人が5年以上海外に居住している場合、その人の海外にある資産は日本の相続税の対象となりません。
ただし、この対象外は被相続人と相続人の両方が5年以上海外に住んでいる場合にのみ適用されます。
それ以外の場合、海外資産にも日本の相続税が課税されることになります。
日本国内の不動産の評価方法
もし日本国内で不動産を所有している場合、その不動産の評価は土地と建物で異なります。
土地の評価は通常の市場価格の約80%の路線価を基準として行われます。
一方、建物の評価は市場価格ではなく、固定資産税評価額で行われます。
この結果、日本国内の不動産は一般的に市場価格よりも低い金額で評価されるため、相続財産の評価額を下げることができます。
海外不動産の評価方法
一般的に、海外の資産は法的には日本の財産と同様の方法で評価されます。
しかし、現実的には海外には路線価などの評価制度が存在しない場合が多く、それにより海外不動産の評価は困難となります。
したがって、海外不動産の評価には他の方法を採用する必要があります。
海外不動産で節税しやすかった理由
以下の理由により、海外不動産において節税効果を得ることができました。
・日本の法定耐用年数が適用されること:2020年度の税制改正以前は、日本の税法では海外の不動産にも日本の法定耐用年数が適用されていました。
このため、不動産の価値を分割して減価償却を行う際に、その不動産の法定耐用年数に応じて毎年一定額を計上することができました。
法定耐用年数が短い場合、計上額も増えるため、節税効果が大きくなります。
・日本と海外の木造住宅の法定耐用年数と実際の住宅寿命の比較:日本と異なり、アメリカでは木造住宅の法定耐用年数が27.5年に設定されていますが、実際の住宅寿命は104年です。
このように、実際の寿命が長い場合、節税効果を得ることができました。
参考ページ:不動産投資|海外不動産を購入すると節税になる?ならない?
木造住宅の寿命についての比較:イギリスと日本の事例
イギリスでは、木造住宅の法定耐用年数は明確に定められていませんので、具体的な寿命については分かりません。
しかし、一般的な統計によれば、木造住宅の寿命はおおよそ140年程度とされています。
イギリスでは、建物のメンテナンスや修繕が適切に行われることによって、長期にわたって住まいとして利用できることが期待されています。
一方、日本では、法定耐用年数が設けられており、木造住宅の場合は一般的に22年と定められています。
しかしながら、実際の寿命は法定耐用年数よりも長く考えられています。
木造住宅の建物自体の寿命は、メンテナンスや修繕の状況によって大きく変わるため、一概には言い難いですが、平均的な寿命はおおよそ30年程度とされています。
日本では、法定耐用年数が設けられる一因は、地震などの自然災害が頻発することが背景にあります。
このため、建物の耐震性や安全性を常に確保するため、定期的な点検や修繕が求められるのです。
また、日本では建物の老朽化を進行させず、適切な時期に建て替えることも採用されることがあります。
イギリスと日本では、木造住宅の寿命に関する考え方や制度が異なるため、直接的な比較は難しいですが、どちらの国でも適切なメンテナンスや修繕が行われることによって、安全かつ快適に長期間にわたって住まいとして利用できるよう努められています。