小学低学年だった姉が母親に言った、「いつも腐らせるじゃない!」。
私、「どうしたの?何を怒ってるの?」
姉、「お客さんから頂いた高級な牛肉の賞味期限が切れてるの」
母親、「賞味期限が切れても食べられるわよ」
姉、「私は賞味期限が切れたものは食べないからね!」
そのような会話があったことは、幼かった私はスグに忘れる。
その日の晩、
小学高学年の兄、「あれ、A子(姉のこと)は?」
母親、「・・・」
兄、「お前、A子を知らない?」
私、「姉ちゃんなら、自分の部屋にいるよ」
兄、「呼んで来ようか?」
母親、「呼ばなくて良い」
その日の夕食は子供も好きなカレー。
子供達が夕食を終えた頃、父親が仕事から帰って来た。
父親、「今日はカレーか?」
私、「どうして、カレーって分かったの?」
父親、「父ちゃんは何だって分かるんだ」
私、「スゲえな、父ちゃん」
父親、「あれ、A子は?」
私、「姉ちゃんは自分の部屋にずっといる」
父親、「A子を呼んで来て」
兄が席を立ち上がろうとすると、
母親、「食べたくない子は、食べさせなくて良いの」
父親、「何があった?」
理由を聞いた父親、「A子、部屋から出て来なさい」
姉、「・・・」
父親が姉の部屋に行くと、説得された姉は部屋から出て来てカレーを食べた。
父親、「カレーは旨いな?」
姉、「賞味期限切れのお肉は入ってないよね?」
父親、「良く見てみろ、カレーに肉なんて入ってないだろ?」
姉、「うん、入ってない」
父親、「母ちゃんの作ったカレーは旨いだろ?」
姉、「・・・」
姉は返事をしなかったが、母親の作ったカレーを泣きながら食べた。
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