【弁護士が解説】個人再生と自己破産の違い

【弁護士が解説】個人再生と自己破産の違い

自己破産以外の債務整理の選択肢として、個人再生という手続きがあります。個人再生は、自己破産と比較して異なるアプローチを取ります。以下では、個人再生と自己破産の違いについて詳しく説明します。

目的と範囲:

自己破産: 自己破産の目的は、借金問題を解決するために債務の一部または全部を免除することです。債務者は財産の一部を売却し、その収益を債権者に分配します。
個人再生: 個人再生の目的は、債務者が持つ財産を活用して返済計画を策定し、債務の一部を減免することです。債務者は自身の収入を元に返済計画を立て、一定期間内で債務を返済します。

財産と収入の保全:

自己破産: 自己破産では、一部の財産が売却されることがあります。債務者の財産の中には処分されることがない免責財産と呼ばれるものもあります。
個人再生: 個人再生では、債務者の財産を活用して返済計画を実行するため、財産の保全が重視されます。債務者は自身の収入を元に債務を返済し、一定の期間内で免責を得ることができます。

信用情報への影響:

自己破産: 自己破産は信用情報機関に登録され、長期的な信用スコアの低下をもたらす可能性があります。
個人再生: 個人再生は自己破産ほど信用スコアに大きな影響を与えません。返済計画を遵守し、債務を返済することで、信用スコアの回復が期待できます。

返済のあり方:

自己破産: 自己破産では、債務者が保有している財産や資産の一部が売却され、その収益が債権者に分配されます。債務の一部または全部が免除されますが、財産を一部失うことになる場合があります。
個人再生: 個人再生では、債務者が返済計画を立て、収入に基づいて債務を返済します。返済計画では、一定期間内に一部の債務を減免し、残りの債務を返済することができます。財産の売却は必要ありません。

継続的な収入源の重要性:

自己破産: 自己破産では、債務者の収入源によっては特定の条件を満たすことができず、自己破産が適用されない場合もあります。また、自己破産後の生活においても収入の安定が求められません。
個人再生: 個人再生では、収入の継続性が重要です。返済計画を実行するために安定した収入が必要であり、返済能力が問われます。収入源がない場合や返済計画に従わない場合は個人再生が失敗する可能性があります。

具体例を挙げると、ある個人が住宅ローンやクレジットカードの返済に苦しんでいるとします。自己破産を選択する場合、所有している財産の一部が売却され、債務の一部または全部が免除されます。一方、個人再生を選択する場合、債務者は収入を元に返済計画を立て、一定期間内で債務を返済します。財産の売却は必要ありませんが、収入に基づく返済計画を厳守する必要があります。

債務者は個人再生と自己破産の違いを理解し、自身の状況に合った最適な債務整理方法を選択することが重要です。債務問題の専門家の助言を受けながら、将来の経済的な安定と信用履歴の回復を考慮して決断しましょう。

参考:自己破産弁護士Navi

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